2021/02/15

記述式の解き方について【司法書士試験・保存版】



司法書士試験において、苦手にされていらっしゃる方が多いのが、午後の部における「記述式」✏

各受験指導校からも様々な方法論が提示されておりますが、

「記述式の解き方がいまいちよく分からない…」

どの方法が一番いいのか分からない…

「自分に合う記述式の解き方が知りたい…!」


と悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか😣

そこで以下では、司法書士試験における「記述式」の解き方について、ご紹介していきたいと思います✏️

1.記述式の解き方について


各受験指導校では様々な方法論はありますが、大きく分けて二種類になるかと思います🤔

それは、「暗算型」と「筆算型」です✨

因みに私自身は、伊藤塾の山村拓也講師が提示されている「答案構成」 という手法を用いておりました✨

「答案構成」という手法は、記述式を解く前提として、思考過程や申請すべき登記の内容を図示してから実際に答案用紙に書いていきますので、上記でいうところの「筆算型」に当たります😌


上記の暗算型と筆算型の手法には、それぞれメリットとデメリットがあります✨

以下、詳しく見ていきましょう💡


2.暗算型の手法とは


「暗算型」の手法とは、記述式を解く際に思考過程を細かく図示することなく、申請すべき登記の内容と順番が分かったら、どんどん解答用紙に書いていく方法です✏️

問題用紙にある登記簿や別紙を用いて、多少のメモを元にすぐに解答用紙を埋めることができるので、より多くの内容を解答用紙に反映させることができます👍

司法書士事務所でお勤めで、普段から登記簿謄本や申請書類をご覧になっている方や、受験回数をある程度重ねている方であれば、わざわざ思考過程や申請すべき登記の内容を図示する必要はないかもしれませんので、このようなやり方をされているかと思います🤔

いわゆる「攻め」の手法ですね😌

どんなに練った答案を考えても、解答用紙に反映させなければ、点数にはなりません😔

司法書士試験における午後の部は、制限時間が極めてシビアですから、書くべき内容が分かったならば、それを即座に解答用紙に反映させていったほうが合格可能性が高まります😤

記述式で高得点を狙いにいくには、「暗算型」の手法でいくべきでしょう🤔


しかし、暗算型には大きなデメリットがあります💦

それは、頭の中で書くべき内容を構成しながら書くので、ミスをしやすい、というところです😣

試験中はかなりの緊張と精神的なプレッシャーがかかります🤔

ですから、普段出来ることもできなくなるほど、平静でなくなることも考えられます😫💦

書くべき内容を解答用紙に反映させなければ点数にはならないことは勿論ですが、そもそも書くべき内容を間違ってしまうと、せっかく書いても点数にはなりません😔

上記にも書いたように「暗算型」の手法は、どんな状況下においても複雑な事案をミスなく読みこなすことができる、受験回数を重ねた、いわゆる「ベテラン受験生」向きの手法といえると思います👍


3.「筆算型」の手法とは


一方「筆算型」の手法とは、問題用紙に書かれている内容や別紙書類を見ながら、配布された「答案構成用紙」に思考過程や申請すべき登記の内容を図示していき、事例検討を十分にしたのちに解答用紙に記載していく方法です✏️

事例検討にある程度時間をかけてから書き始めるため、どんな問題であっても、ミスの少ない答案を作成することが出来ます

いわゆる「守り」の手法です😊

先にも書きましたが、本試験の現場では精神的にも肉体的にもかなり追い込まれるので、冷静な判断が下せなくなることがあります😔

「筆算型」の手法は、配布される答案構成用紙等に、検討した事案内容の要約を書き込んでいくため、頭の中にある検討内容を視覚化されることによって、ミスを極力減らすことができるのです👍

受験回数が少なく、記述式に慣れていない受験生向きの手法であるといえます🤔


しかし、反対に検討した内容を視覚化させて書く分、「暗算型」と比べて相対的に答案に書ける内容は減ってしまいます😔💦

答案に書ける内容が減れば、当然点数は上がりません🥺

司法書士試験は0.5点を争っていく試験ですので、その点は致命的です😣


4.「暗算型」と「筆算型」どちらがよいのか


「暗算型」も「筆算型」もそれぞれメリット・デメリットがあるので、一概にどちらが正しいとはいえません😣

ご自身の受験回数や実務経験の有無、記述式の得意・不得意も影響してくるところになります🤔

ただ私が思うに、通常受験生の多くは実務を経験されている方ばかりではなく、記述式に不慣れなので、どちらかというと守りの手法の方が良いのではないかと考えます🤔


記述式にはご存知のとおり、記述独自の合格基準点が設けられており、その基準点は「択一式の基準点突破者のおよそ平均点」とされます✨

そして司法書士試験に合格するためには、全体の合格基準点より択一にして5問から8問程度の上乗せを確保する必要があります😣

その中で、ただでさえ択一式の基準点を突破する実力者の平均点である、記述式の基準点から大きく上乗せ点を確保するのは至難の業です😫

記述式の基準点を超え、合格点に届かせるだけの上乗せ点を確保するためには、攻めの手法すなわち「暗算型」の手法を取るしかありませんが、先にも述べたように、記述式の基準点の性質を考えると、相当難しいと言わざるを得ません😔


司法書士試験のように難関試験は、その試験範囲・覚えるべき知識量等を鑑みて、実力を遺憾なく発揮できる試験ではなく、合格に際して運の要素があることは否めません🥺

ただでさえ運の要素があるにもかかわらず、問題の内容や現場での出来次第で結果が大きく変わってしまうような手法(=攻めの手法)をとるべきではないと私は考えます🤔


5.具体的な記述式の解き方(不動産登記法)


上記では総論的な内容を書いていきましたが、以下では具体的な方法論を述べていきたいと思います😌

まずは不動産登記法の問題を、平成31年第36問を例に検討していきます✨
※問題全体の解説は割愛させていただきます、ご了承ください🙇‍♂️

まずは、冒頭の問題文から読み進めていきますが、その中で私は、「日付」にチェックを入れながら読んでいきます✏️

私の場合、緑のボールペンで日付を〇で囲いますが、マーカー等を使用して目立つようにしてもよいかと思います👍

そして大事な箇所には赤のボールペンで線を引くなどして強調しておきます✏️

冒頭の問題文を読み終わりましたら、いきなり聴取内容にはいかず、事実関係に関する補足やその他の指示事項をチェックします👌

例えば、申請すべき登記がない場合に「登記不要」と書くことや、承諾の有無、申請する順番に関する事項(甲区→乙区の順に記載する等)を最初にチェックします✏️


そして、登記簿を見て、大体の権利関係を把握します🤔

本問においては、敷地権が「賃借権」であったり、譲渡特約があったりとかなり特徴的な部分があるので、事前にチェックをして、「何が論点になるかを予想」しておきます👌

ここまできましたら、いよいよ事案検討に入ります🤔
(私の場合は下図のように、事案検討の前に権利関係を図解しますが、「暗算型」の手法を取る方はこのまま進めていきます)

事案検討の際にも、「日付」にはチェックを入れていくとよいと思います👍
大事な箇所には赤線を引いていきます✏️

本問においては、聴取した内容が申請日をまたいでいること、別紙形式であること、特徴的なので、最初の申請で使う事実と二回目の申請で使う事実を混同しないように注意しないといけません😣

ですから、「暗算型」の手法を使う方も、時系列の整理はやっておいた方がよいのではないかと思います🤔


特に本試験では、聴取事項と別紙とあちこちに事実に関する日付がちりばめられています😣💦

また問題文中に申請する順番の指示がなされている場合もあるため、頭の中だけで考えているとごちゃごちゃになってしまい、書いた答案が指示とは違ってしまうことにもなりかねません😫

配布される答案構成用紙を使うかどうかは別にして、どのような事実がどのような順番で起きているかは、メモをしておくとよいと思います👍


さて、ここまで事案の検討をしてきましたら、次はどのような登記をどのような順番で申請していくかを検討します🤔

上記にも書いたように、ここは個々人のやり方があると思いますが、ここでは私が本問を解いた際に作成したメモをご覧いただければと思います👍




特徴的なところは、時系列とメモした登記簿とをリンクさせているところかと思います🤔

時系列一つ一つに数字を振っていき、登記簿の付近にそれを記載します✏️

例えば、本問において甲区分建物の相続が起きているので、時系列①②が甲区分建物付近に書かれているかと思います🤔

必要に応じて、メモには色分けします✏️

例えば、プラスの財産の移転の場合にはマイナスの財産の移転及び権利の消滅には、名変関係は緑などです👌


自身で書いた数字の順番に検討し、どのような登記をどのような順番で申請していくかを登記簿のメモに付け加えていきます✏️

今回私が書いたメモはかなり詳細に書いておりますが、もっと省略してもよいですし、逆にもっと書いてもいいと思います👌

ただし、このメモを作成しても点数にはならないので、解答用紙に反映させるためにも、バランスは図らなければなりません🤔


ここまでメモを作成していきましたら、あとは一気に解答用紙に反映させていきます✏️

もちろん全部書けることに越したことはありません🤔

しかし、メモの作成に時間をかけた方は、全部解答しようとしても難しいと思います😔

その際には予想される配点を考えながら、どこを書いてどこを書かないか、を意識しながら記載していきます🤔


例えば本問においては、第1欄と第3欄は文章を考えて記載する必要があるため、時間がかかります😣💦

ですから、書くべき内容が思いつかない・あるいは思いついても時間がかかりそう、であれば、戦略的に記載しない、という判断も必要です🤔

それよりも、機械的に記載できる申請事項の欄は、時間もかからず、配点もある程度高いことが予想されるため、優先した記載する方が良いでしょう👍


6.具体的な記述式の解き方(商業登記法)


不動産登記法に続いて、以下では、平成31年第37問を例に検討していきます✨
※問題全体の解説は割愛させていただきます、ご了承ください🙇‍♂️

まずは、冒頭の問題文から読み進めていきますが、まずは不動産登記の時と同様、「日付」にチェックを入れながら読んでいきます✏️

私の場合、緑のボールペンで日付を〇で囲いますが、マーカー等を使用して目立つようにしてもよいかと思います👍

冒頭の問題文を読み終わりましたら、いきなり聴取内容にはいかず、答案作成にあたっての注意事項をチェックします👌

本問においては、注意事項の2、3、5などが重要でしょうか🤔

特に重要な箇所は見返せるように、赤のボールペンで線を引くなどして強調しておきましょう✏️

そして別紙を軽く見ながら、重要そうな箇所に赤のボールペン等でチェックを入れておきます✏️

加えて本問においては、申請が2回に分かれているので、最初の申請でどこまでの別紙を使用するか、はチェックしておいた方が良いかもしれません🤔


ざっと別紙をチェックしたら、1回目の申請に関する聴取記録をチェックします👍

商業登記の記述式の問題には、時系列に関する情報が点在しているので、時系列の整理はとても重要です😤

さて、ここからいよいよ本格的に事案検討していきます✨




上図を参考に私の事案検討について説明してまいります✨

私の場合、時系列は上の方に書き、役員に関する事項を左下に書いていきます✏️

併せて本問の中心となる会社の設計を確認しておきます👍

本問の中心となる、スター株式会社は非公開会社・非大会社・取締役会設置会社ですので、その旨を役員に関する情報の上部に略語で書いておきます✏️

なお、本問にはもう一つムーン株式会社がありますが、事前のチェックの段階で解答には大きく影響なさそうですし、そもそもムーン株式会社からは依頼はされていないので、詳しい構成はしておりません🤔


検討する会社を把握したら、別紙と聴取記録を併せて見ていき、時系列を整理します✏️

時系列の欄に、株主総会等が行われた日付と決議事項を書き込んでいき、それぞれの決議事項で特に登記するべきものを中心に、登記できるかどうか問題がないか、を検討していきます🤔

その中で、効力発生日がずれるものがある場合には、色を変えるなどして、強調しておきます✏️

役員に関して変更すべき事項があった場合には、先ほどメモした役員の箇所にどんどん書き込んでいきます✏️

元々のメモと混じらないように、新たに加えたものは色を変えて記入します👍

例えば私の場合、死亡や辞任など退任に関するものは赤、就任は青、住所の変更のようなものは緑としていました🤔

また登記事項には関係ないものでも、事業年度の変更などは役員の任期に関わる内容なので、その後の役員変更に影響がないかを注意深くみていきます😤


また、本問においては吸収合併により資本金が増加して、資本金の総額が5億円以上になるため、今後大会社に該当しないかどうかも併せてみていくべきです😤

私も事前のメモでは合併の効力発生日のところに「大会社?」とメモしました😊

そして、1回目・2回目の申請に関する事案検討が終わった段階で、実際に解答用紙に記載していきます✏️

場合によっては、1回目の申請日の検討が終わったら、その部分についてはすぐに記載していっても良いかもしれません🤔

特に試験時間に余裕がない場合は、解答用紙に反映させなければ点数にならないので、そのような判断も大事かと思います👍

私の場合は、いつも全ての事案検討を終えてから書いていました😊

万が一間違いが途中で見つかった場合、引き返すことが可能だからです👍


因みに余談ですが、今回私は恥ずかしながら最初の段階でミスをしていました😣💦

取締役Hの選任は決議要件を欠くため(別紙12の注意事項7から、平成30年11月20日第3号議案は定足数を欠くと判断したため)登記ができないと思ったからです😔

しかしそのまま読み進めていったときに取締役BもFも退任するのに、権利義務でやめられない💦

あれ、これ代表取締役と監査役以外やめないの?苦笑

と不振に思い、もう一度よく取締役Hの選任について見返したところ、株主の中にムーン株式会社がいた(相互保有のため、ムーン株式会社には議決権がない)ため、決議要件は問題なく満たしていると思い直しました🥺


このように、筆算型の答案構成を使用すると、たとえ間違えていても、それを途中で発見しやすくなりますので、やはり守りの答案を作成するのに適しています💦

また、今回は時間の都合上、添付書面の検討まではできませんでしたが、私の場合、上図の右下あたりに添付書面の欄を設けて、メモをするようにしておきました✏️



7.記述式を克服するための参考図書2選


一通り解き方の説明をしてきましたので、最後に私がオススメする記述式に関する書籍をご紹介したいと思います


◎うかる!司法書士 記述式 答案構成力【日本経済新聞出版社】◎

伊藤塾の山村拓也講師が行う、「答案構成力養成答練」の内容を書籍にしたもので、普段の講義内容を丁寧に文字起こししてくれています💡
講義中では嚙み砕いて話さない内容も、文字で書いていることによって、より論理的に答案構成力を理解することができるので、非常にオススメです✨
書籍内の問題も割と良問が並んでいるため、繰り返し解くことによって、答案構成を自分のものにすることができるようになります👍
記述式の苦手意識がどうしても払拭できない、という方は、是非試してみて下さい🤔

 

オートマシステム 記述式【早稲田経営出版】


早稲田セミナーの山本浩司講師が手掛ける、いわゆる「オートマ」の記述式専門の書籍です📚

私は他のオートマは使っておりませんでしたが、問題演習のために「オートマ」の記述式書籍を使用しておりました🤔

日々本試験レベルの問題を解いていく時間がない受験生にとっては、理解の助けになる小問が並んでおり、問題のパーツに触れていくことで、自然と記述式の実力がついていくのが魅力です✨

勿論、本試験レベルの問題も掲載されているので、無理なく実力をつけていくのにはオススメです👌
 

いかがだったでしょうか🤔

司法書士試験における記述式の問題は、多くの受験生が苦手にするものだと思います🥺

ですが、根気よく練習を詰めば必ず安定した答案を書けるようになります👍

嫌がらずに繰り返し練習することが何より大切です😊

上記を参考して、司法書士試験における記述式を得意にしていただければ幸いです😊



※最後までお読みいただき、ありがとうございました✨

今回の内容が良いと思われた方は、是非SNS等で共有いただければ幸いです🙇‍♂️

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